子どものイベントをビデオカメラで録画する時、誰もが悩むのが子どもの表情をアップで撮るか、それともイベント全体をワイドで撮るか。「両方とも撮れればいいのに」と思った経験のある人も多いのでは? そんな願いを実現したのがパナソニックの「HC-W850M」。実際にどう撮れるのか。実機を使って「お試し」してみましたので、前後編に分けて紹介します。前編ではどんなカメラなのかを解説します。

子どものズームと演技全体を一緒に撮りたいものの…

 学校や保育園・幼稚園の行事でビデオカメラを使うとき、子どものアップを優先すべきか、それとも全体の様子を優先すべきかで悩むことはありませんか?

 たとえば運動会の徒競走。走者全員が映るアングルだと子どもの表情が小さくてわかりにくくなってしまいますが、かといって子どもをアップで撮っていると、ほかの走者とどう競ったのかが見えなくなってしまいますよね。

 音楽会や演芸会など、ステージで行われる行事も悩みどころ。わが子をアップで撮っていると演目全体の様子が撮れませんし、ステージの端から端までが収まるように撮ると、今度は子どもの写り方が小さくなってしまうので、どんな演技をしていたのかがわかりません。

わが子をアップにして撮ると、当然のことながらステージ全体は撮影できないことになる
わが子をアップにして撮ると、当然のことながらステージ全体は撮影できないことになる

 筆者の家庭ではこれを解決するために、私がビデオカメラを持ってズーム撮影を担当し、妻がスマートフォンでワイド撮影を担当する……といった具合に、ズームとワイドを分担して撮影することがあります。とはいえ、毎回2人揃って行事を観覧できるとは限らないので、いつでも使える手段ではないのが泣き所。三脚を使えば1人で2台同時に撮影することもできますが、デジタルモノが好きな筆者はともかく、妻一人で2台分の機材を持ち歩くのはかなり大変。それに、この方法で撮影したビデオは別々に再生しなければならないので、ズーム版とワイド版を同時に見られないのが残念です(それが当たり前なんですが…)。

 欲張りなことを言えば、カメラ1台でズームとワイドを同時に撮影して、2画面表示ができるテレビのように両方を同時に再生したい。そんな都合の良いビデオカメラなんてあるはずないよね…と思っていたんですが、実はあったんです!

「ワイプ撮り」をうたうパナソニックのデジタルビデオカメラ

 それは、パナソニックの「HC-W850M(http://panasonic.jp/dvc/w850m_v750m/)」(以下W850M)。一見すると普通のビデオカメラですが、よーく見ると液晶モニターの端に回転できるサブカメラが付いています。メインカメラとサブカメラ、2つのカメラで2つのアングルを同時に撮影できるビデオカメラなんですね。

パナソニックのデジタルビデオカメラ「HC-W850M」
パナソニックのデジタルビデオカメラ「HC-W850M」