「40歳だから転職はもう無理なのか……」。今後のキャリアに悩む

――失意の中でどうやって活路を開いたんですか。

 服作りが無理なら英語力を生かす道はどうかな、なんて考えていたときに、地下鉄の構内で関西学院大学のハッピーキャリアプログラムのポスターを見つけたんです。ネットで調べたら、なんと翌日が申し込み締め切り日。ビジネスに必要なことが学べるなら今後のチャンスにつながるかもと思って、すぐに応募しました。

関西学院大学ハッピーキャリアプログラム
職場復帰を目指す育児休業中の女性、再就職・起業を目指す女性のための準備講座。2008年から開催されており、キャリアデザイン、モチベーション・マネジメント、企画・経理・営業・管理などの専門スキルを半年かけて学ぶ。http://www.kwansei-ac.jp/iba/happycareer/

――2009年10月からですね。ハッピーキャリアプログラムにどんな期待を持っていましたか。

 年齢的に会社に就職するのは難しいと思っていたので、自分で起業のような形で何かできないかなとおぼろげに考えていたんです。知り合いに中国で会社を作って日本に商品を売り込んでいる女性がいまして、そういう形もありかな、と。そのためには会計、マーケティングを勉強したいと思っていました。それだけじゃなく、できる限りいろんなことを吸収したかったので、講義は取れるだけ取った、という感じです。

――講座を受ける中で一番大変だった、苦労したことは何ですか。

 グループワークが本当に大変でしたね。気の合う同士で組むんじゃなくて、適当に割り振られた6人のメンバーで協力して課題に取り組むというのが4回くらいありました。

 皆さん、年齢も考え方もやりたい方向性もバラバラ。小さなお子さんがいらっしゃる方やおなかの大きい妊婦さんもいて。「服には全く興味ない」とか、アパレル関係の会社で働いていたら絶対に知り合わないようなタイプの方もいて面食らいました(笑)。

 課題によってはあまりうまくいかないこともありましたが、逆に個性がバラバラだからこそ良かったこともありました。例えば「女性が元気になる企画のプランニング」では、疲れている女性の眠りを上質なものにするという切り口で、衣食住の様々な商品を一つのブランドから提供する、という企画を立てたんです。すると、食に興味のある人は食品を、私は衣料品、家具に興味のある人は寝具、とすぐに担当が決まって、内容の濃いプレゼンができました。

――就職活動はどのようにされたんですか。

 ハッピーキャリアプログラムを受講しているときから人材紹介会社や転職サイトに登録していました。実際、数社から声が掛ったので応募しましたが、書類選考や面接で落ちてしまい、受講中には決まらなかったですね。

 プログラムの終了後に転職サイトで見つけたのが、現在働いている大手アパレルメーカーの企画職の求人。面接では、ハッピーキャリアプログラムで作った企画案を持って行って「御社でこういう企画はできないでしょうか」とアピールしました。企画力やプレゼン能力が認められたのか、採用につながりました。

 実はこの会社、以前の転職活動時に一度面接を受けたことがあるんですよ。そのときはまだキャリアが浅かったので採用に至らなかったんでしょうね。今回の面接では「実は2回目なんです」って正直にお話ししましたが、それは気にしていない様子でしたね。もしかしたら「そんなにウチに入りたいんか」と思ってもらえたのかもしれません(笑)。