ちなみに、その結果、いわゆる「日の丸構図」になるかもしれません。

 「日の丸構図」とは、被写体を真ん中に配置した構図のこと。前ページの写真もその一例で、おやつをかじる子どもが真ん中にいます。意識しないとつい多用してしまいますが、構図に動きがなく、往々にしてつまらない構図の代表例に挙げられます。しかし、それも場合によりけり。日の丸構図は魅力的な被写体をシンプルに切り取ることもできるのです。恐れず撮ってみてください。

被写体をフレームの真ん中に配置する「日の丸構図」。図解すると、文字通り日の丸に見える
被写体をフレームの真ん中に配置する「日の丸構図」。図解すると、文字通り日の丸に見える

 子どもの写真を撮影する場合、「その場の状況や雰囲気を記録しておきたい」という場面もあれば、「親にしか見せない子どもの貴重な表情を捉えたい」という場面もあるはず。表情を捉えたい場合は、ぐっと近づき、子どもの表情を画面いっぱいに収めてみましょう。頭の一部が切れるくらい寄ってみてください。自宅が散らかっているときなど、背景をあまり写したくないときにも使えます。

思い切って子どもの顔だけを切り取ってみた例。フレームから余計なものが減り、あまり気にならなくなった。おやつを口にするときの、とぼけた表情がこの写真の主役
思い切って子どもの顔だけを切り取ってみた例。フレームから余計なものが減り、あまり気にならなくなった。おやつを口にするときの、とぼけた表情がこの写真の主役

 「主役をはっきりさせて画面を整理する」というのは、構図の主眼であり、色々な方法がありますが、その中でも最も基本的なテクニックが「画面いっぱいに写す」ことだと言われています。ぜひ、試してみてください。

(文・写真/林奈々)