新しいことに挑戦するためには、時として、自分に無いスキルを身に付ける勉強が必要になります。新たな世界にチャレンジした人達は、どんな勉強をしていったのでしょうか。この連載では、仕事を辞めた時期を利用して、新しいことを勉強し、新たなキャリアへとつなげた女性達を紹介していきます。最初に登場するのは、結婚したときと出産したとき、両方で仕事を辞めたという経験を持つ女性です。彼女はどうやって新しいキャリアにたどり着いたのでしょうか。

森本香惠子さん
大学卒業後、化学メーカーに就職。秘書・総務業務を担当。26歳で結婚を機に退職。その後、派遣社員、契約社員として働き、長女を出産時に退職。次女を出産後、2009年10月から半年間、関西学院大学ハッピーキャリアプログラムを受講。2010年5月、パートタイマーとしてソフトウエア開発会社の事務職に従事、2012年4月より同社で正社員に。夫、長女、次女の4人家族。

森本さんの歩み
●大学卒業後、化学メーカーに就職
●26歳、結婚退職
●派遣社員、契約社員として働くが、31歳のときに出産退職
●35歳、関西学院大学ハッピーキャリアプログラムを受講
●36歳、法務事務所にて事務スタッフとして勤務
●36歳、インテグラル・テクノロジーにてパートタイマーとして勤務
●38歳、インテグラル・テクノロジー正社員となる

「私には専業主婦は向いていない……」。派遣社員として仕事を開始

――森本さんは結婚をしたときに、それまで勤務していた会社を退職したそうですね。

 そうです。私は大学卒業後、化学メーカーに就職して秘書・総務業務を担当していました。夫とは同期入社なのですが、私は地元の関西、彼は関東の事業所に勤務していました。私が26歳のときに結婚することになり、退職して夫の元に引っ越しました。

 それで専業主婦になったわけですが、知らない土地で知り合いもなく、まだ子どもがいなかったから時間がありました。その時間を利用して、英会話学校に通い始めたんです。通ううちにだんだん友達もできて楽しく過ごしていましたが、徐々に働いていない自分に違和感を持つようになりました。1年くらい経つと、いっそどこかで働いて家計の足しにでもしたほうが有意義では、と思うようになったんです。私には専業主婦は向いてへんな、と(笑)。

――再就職を目指したのですか。

 いいえ、夫の扶養に収まる範囲内で働きたかったので、派遣会社に登録しました。でも、なかなか短い時間の仕事が無くて、結局フルタイムで働くことになっちゃいました。夫は共働きを考えてなかったんですが、結果オーライみたいな感じですね。「働いているほうが生き生きしてるやん」って言われました(笑)。

 半導体部品メーカーで1年、その後、総合電機メーカーで働きました。職場の方々にとってもよくしてもらっていたし、仕事自体も楽しかったのですが、1年ほどしたら、なんと夫が関西へ転勤することになってしまって。泣く泣く退職して、関西に戻ってきました。