犯罪者の3割が素性を偽っている
子どもの多くは、「ネットでやり取りするとその人がいい人かどうか分かる」と答える。やり取りを通じて相手を信頼し、他人には言えない悩みを告白したり、相談したりしているケースも多い。中には、会っていないのに「恋人」「親友」となっているケースもあるくらいだ。
警察庁の「コミュニティサイトに起因する児童被害の事犯に係る調査結果について(平成25年下半期)」によると、加害者の29.5%はプロフィールを詐称しており、「年齢のみ」(55.3%)、「年齢+職業」(21.7%)、「年齢+職業+性別」(6.6%)と、そのうち合計87.5%が年齢を詐称していることが分かっている。
このように、ネットでは性別、年齢、職業、本心などを偽って利用している大人が少なからずいる。出会い系被害に遭った子どもは、被害に遭った後でさえ「悩みを真剣に聞いてくれた。(加害者は)いい人」と言うことが多い。子どもはネットでのやり取りに油断して心を開き、だまされてしまうケースがほとんどだ。ネットには素性だけでなく本心を偽っている大人も混じっていることは必ず教える必要があるだろう。
ネットでのやり取りにはまる子どもの多くは、寂しかったり、悩みを相談できる相手がいなかったりするケースが多い。子どもがそのような状態にないかどうか、利用状況と共に保護者が見守る必要があるだろう。ネットでの事件があるたびに家庭で話題にするなど、ネットのリテラシー教育も大切だ。