2008年(平成20年)の「出会い系サイト規制法」施行以来、出会い系サイトによる児童の出会い系被害は減っている。代わりに、SNSやゲームなどのコミュニティサイト経由の出会い系被害が増えていたが、近年運営業者の努力により減少傾向にあった。だが、警察庁の「平成25年中の出会い系サイト及びコミュニティーサイトに起因する事犯の現状と対策について」によると、「無料通話アプリのIDを交換する掲示板に起因する犯罪被害により再び増加した」と明言されている。つまり、LINEなどの非公式ID交換掲示板を通して出会い系被害が拡大しているのだ。

 このため運営会社により、未成年はID検索機能が利用できなくなった。ただし、端末の利用者が保護者になっていると、「大人」と判断されてID検索が利用できてしまう。

 古くなった端末を子どもに譲るケースでも、必ず子どもに名義変更しておくことで、子どもの受ける被害を防ぐことができる。携帯電話会社に電話、来店して手続きしよう。また、IDと同じ役割を果たすQRコードでのID交換掲示板利用は可能なため、抜け穴がある状態となっている点は注意が必要だ。

 モバゲーやグリーなどのゲームサイトでは、連絡先等は交換できず、友達になっても直接会うことは難しかった。ところが、LINEは友達になると通話、テキスト、画像や動画のやり取りまで可能になってしまう。出会い系被害につながりやすいツールであることは理解しておくべきだろう。

コミュニティサイトに起因する出会い系被害は増えている。原因は「ID交換掲示板」だ<br>出典:<a href="https://www.npa.go.jp/cyber/statics/h25/pdf02-2.pdf" target="_blank">「平成25年中の出会い系サイト及びコミュニティサイトに起因する事犯の現状と対策について」(警察庁)</a>
コミュニティサイトに起因する出会い系被害は増えている。原因は「ID交換掲示板」だ
出典:「平成25年中の出会い系サイト及びコミュニティサイトに起因する事犯の現状と対策について」(警察庁)