──この男の子は本を読むときや工作をするときはずっと集中できるのですが、ごはんのときだけふっと立ち上がりどこかへ行って、戻ってきて一口食べてはまた立ち上がってどこかへ行ってしまうそうです。
それはしつけとしてきちんと教えるべきですね。お食事のときは立っちゃいけないのよ、ちゃんと最後まで食べてからよ、と言えばいい。お父さんもお母さんも立たないでしょうって。でも、もしかしたら、何か理由があるんじゃないの? 聞いてみたらいいじゃない。「どうして立つの?」って。「不思議ね、あなたのおなかの中、ちょっと変わっているのかな」って。
本人が無理をしたいならそれでいいんじゃない
──立たないとごはんが入らないおなかですか(笑)。
そういうのもいいわね。不思議なおなかじゃないのって聞く。「ちょっとおなかを見せてよ」と聞くのもいいかもしれない。
でも、どこか具合が悪いのかもしれないのが心配ですね。
──保育園ではしっかり食べているそうです。
保育園でしっかりと食べているなら安心。きっと家ではお母さんに甘えているのよ。保育園で頑張っている分、おうちに帰ったらちょっと甘えたい。保育園では背伸びして無理しているから。
──無理して頑張っているんですね。
いいじゃない、本人が無理をしたいんでしょうから。友達の前でいい格好をしたいのよ、きっと。子どもらしい面白い子どもじゃないですか。お母さんがその子を主人公にしたお話を書いてみればいいのに。
──前にも、子育てで大変なことをメモしておけば、20年後の笑い話になるというお話がありました。(「3歳児との接し方、時には大人の言葉も効果的」)
これはみんな通る道です。お母さん達はみんな怒ったり嘆いたりしている。でも、今まさに子育て真っ最中のお母さんは、大真面目になって悔しがるのもいいことだと思います。「子どもはこういうものだから」なんて、何でも分かったような態度でいるのも、それはそれでつまらないでしょう。子どものすることに色々悩んで、一生懸命に悔しがる。それも親子にとって大切な経験だと思います。