子どもならではの視点がある

日仏の子育て事情の違いについても盛り上がる。
日仏の子育て事情の違いについても盛り上がる。

―― 今回の展覧会、大人が見ても楽しいですが、私は「2人の子どもたちと一緒に来たらもっと楽しいだろうな!」と思いました。

マリアンヌ そうですね。子どもが見てもおもしろいものだと思います。以前、オルセー美術館に8歳の姪を連れて行って、子ども用の短いコースを見せたことがあるんです。途中で飽きてきた彼女が「これは好きだわ」と指差したのが新印象派のスーラやクロスの作品でした。

―― 姪御さんはどういうところが好きだと?

マリアンヌ 新印象派は「点描」によって描かれていますから、作品自体というよりは小さな点々の集まりに興味を持ったようです。

―― 子どもは大人とは違う見方をしているんですね。

マリアンヌ 学校の先生に聞いたんですが、子どものほうが観察力、想像を広げる力があるそうです。たとえば、一つの絵を見てストーリーを考えさせたりすると、大人が気づかなかったようなところに着目する。よく観察しているなぁと驚かされるそうです。

―― 美術展は子どもには難しいかな、などと思わないほうがいいですね。

マリアンヌ フランスの学校では、生徒をよく美術館に連れて行くんです。子どもたちは本当に楽しんで見ていますよ。今回の新印象派展は子どもにとっても近づきやすい、おもしろいものだと思うので、気に入ってもらえるはずです。年齢に応じていろいろな鑑賞の仕方があるので、ぜひ親子で楽しんでください。

ジョルジュ・スーラ《セーヌ川、クールブヴォワにて》

1885年 油彩、カンヴァス 81×65.2cm 個人蔵 (C) Droit Réservé
ジョルジュ・スーラ《セーヌ川、クールブヴォワにて》 1885年 油彩、カンヴァス 81×65.2cm 個人蔵 (C) Droit Réservé

色彩あふれるゆったりとした展示会場
色彩あふれるゆったりとした展示会場