いざ出産となると平均して40万~50万円の費用がかかる。ここで頼りになるのが「出産育児一時金」だ。勤務先や市区町村の健康保険に加入していれば、 子ども1人につき原則42万円、双子なら84万円が支給される。妊娠4カ月(85日)以上なら流産や死産でも受け取れる。市区町村や企業によっては独自の上乗せがある場合もあるので、しっかりチェックしておきたい。

産休中は日給の3分の2、育休中は67%が支給される

 産前産後休暇や育児休暇で仕事を休むと、その間の生活費も気がかりなところ。出産日前42日と産後56日のうち、実際に産休をとった期間については「出産手当金」として、1日あたり休暇前の日給の3分の2が健保から支給される。市区町村の国民健保では出産手当金制度がないので注意したい。

 育休中は雇用保険から「育児休業給付金」が受け取れる。支給額は育休取得から半年間が1日につき休暇前の日給の67%(上限28万5420円)、それ以 降は50%(同21万3000円)。育休中も給与が出ている場合はその水準次第で減額されたり、受け取れなかったりすることもある。支給期間は育休期間のうち子どもが1歳になる誕生日の前日までで、保育所に入れなかった場合などは1歳半まで延長できる。父母ともに育休をとるなら1歳2カ月まで延長できる制 度もある。

児童手当は中学卒業まで支給され、ありがたい

 また、子育て中の国からの支援で大きいのが「児童手当」だ。支給額は3歳未満が月1万5000円、3歳から中学校卒業までは月1万円(ただし、小学校卒業まで 第3子以降は月1万5000円)となっている。所得制限があり、例えば扶養家族が3人なら年収は960万円未満が条件。制限を超えた場合でも月5000円 の「特例給付」は受け取れる。

 今年4月に大きく変わったのが高校に関する支援制度。公立高校無償化と私立高校への補助が一体になり「高等学校等就学支援金制度」となった。市区町村民 税のうち所得に応じて支払う金額が30万4200円(世帯年収910万円程度)未満なら月9900円が支給される。所得の低い世帯を対象に返済不要の奨学金も新設された。都道府県などが授業料を独自に補助している場合もあるので、確認しておきたい。

(日経ヴェリタス編集部 松本裕子記者)

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