すなわち、大きく分けて「後ろへのゆがみ」「前へのゆがみ」「左右のゆがみ」の3つのパターンがあり、姿勢にどういうゆがんだクセがついているかによって、お腹の太り方も決まってくるというわけです。

 体は上から下までお互いにバランスをとり合いながら姿勢を維持しているのですが、姿勢に前後左右のゆがみがあると、全体のバランスがくずれ、必ずゆがみのしわ寄せが表れる部分が出てきます。

 そして、この「しわ寄せ」がいちばん出やすいのがお腹なのです。

 わかりやすくたとえるならば、やわらかいゴムボールの一部分をギュッとつまむと、別の部分がポコッと出てくることになります。ちょうどあれと同じように、姿勢にゆがんだクセがついてしまうと、そのあおりを受けてお腹がポッコリと出てくることになるわけです。

姿勢の悪いクセが体のゆがみをこじらせる

 もっとも、多少の姿勢のゆがみは、誰にでもあるものと思ったほうがいいでしょう。非の打ちどころのないパーフェクトな姿勢の人なんて、ほとんどいません。

 パーフェクトな状態を保ち続けるのは、なかなか難しいのです。モデルのようにプロポーション抜群な人にも多少のゆがみはありますし、もちろん私にだってゆがみはあります。ただ、そのゆがみをクセにしないように日々姿勢に気をつけているから、影響を最小限にとどめていられるだけです。

 問題なのは、日常生活のなかで無意識のうちに姿勢の悪いクセを身につけてしまった場合です。

 先ほど、「反り腰姿勢」「ねこ背姿勢」「左右ゆがみ姿勢」という3タイプの不良姿勢をあげましたが、こうした悪い姿勢のクセがついてしまっている方々も、ご本人は「正しい姿勢」をとっているつもりでいることが少なくありません。

 私が悪い点を指摘すると、〝この姿勢のどこが悪いの?〟とけげんな顔をされる方もいらっしゃいます。つまり、若い頃からいまの姿勢に慣れてしまっているために、「ゆがんだクセのついた姿勢」でいることが「当たり前の状態」になってしまっているわけです。

 姿勢は、日々の日常生活のなかでかたちづくられていきます。立つ、歩く、座るなど、毎日の何気ない動作をどういう姿勢で行うかによって、美しい姿勢にもなれば、不良姿勢にもなる、といえます。