ここまで説明しても、「人に頼ることは恥ずかしい」「相手に申し訳ない」と思う方は、次の質問について考えてみましょう。

 「自分がここまで生きてきて、お世話になった方々の名前をすべて挙げてください

 恥ずかしながら、私はすべての方々のお名前を挙げることができません。なぜなら、 親兄弟、親戚、先生や友人をはじめとして、数多くの方々のおかげで、私は今、生きているからです。きっと、これからもそうでしょう。

 大人気漫画である『ONE PIECE』(尾田栄一郎 著、集英社)で無敵の強さを誇る主人公ルフィですら、
 「おれは助けてもらわねェと生きていけねェ自信がある!!!
と言っているくらいです。ですから、「人に頼る」ことは決して悪いことではありません。むしろ、働くパパにとっては欠かせない考え方なのです。

「自分にしかできない」は自己満足でしかない

 大切なので繰り返しますが、職場で自分の存在価値の証しとして「自分にしかできない仕事がある」と考えることは自己満足でしかありません。この考えは、すし職人や伝統工芸職人など、技術を生かす仕事であれば納得できます。しかし、チームで働くときには、この考え方はあまり好ましくありません。

 その理由は2つあります。

【理由その1】「自分にしかできない」はリスクが大きい

 私は、「自分にしかできない仕事」は、「思考」だけで十分だと思っています。企画のアイデアや立案、計画など、思考をともなう仕事は「自分にしかできない仕事」でもいいのです。そこから生まれたひな型を基に、会議などで改善・修正をしていけばよいからです。

 それに対し、自分だけのこだわりを持って、日ごろのルーティンワークや単純作業を独り占めするのはお薦めできません。なぜなら、リスクが大き過ぎるからです。

 例えば、あなたが体調不良を理由に欠勤したとしましょう。誰でもできる仕事を自分で独り占めしていた場合、職場では業務の遂行に支障をきたします。下手をすると、業務確認のため、体調が悪いにもかかわらず、あなたの携帯電話が鳴りまくるという状況になってしまうかもしれません。これでは、お互いにとって時間がもったいないですよね。

 しかし、同じように欠勤する場合でも、日ごろから仕事内容や進捗状況を誰にでも分かるようにしておくとどうでしょうか。きっと、職場の方々があなたに代わって何とかしてくれると思いませんか。

 特に、働くパパは自分の都合だけでなく、ママや子どもの突発的なアクシデントに対し、対応を迫られる可能性が高いので、自分の業務も「みんなでできる」状況にしておいたほうがリスクは小さいのです。

 ここで、あなたが仕事を独り占めしているかどうかをすぐ判断できる、簡単な方法をお教えします。それは、自分の仕事を誰かが勝手にやったときに、「誰だよ、こんなやり方をしたのは!」とあなたが思ってしまうかどうかをチェックすればいいのです。

 こんなふうに思ってしまう場合、あなたが仕事を自分だけしか知らない「マイルール」を基に行っている可能性が大です。気を付けてください。不謹慎かもしれませんが、私なら、人が代わりに仕事をしてくれたときは、「ラッキー! やってくれてありがとう」と思ってしまいます。