日本の女性は「飛ばない鳩」が多い。羽が付いていることに気付いてほしい
羽生:それにしても、子どもと一緒に新しい可能性を考え始める瞬間って、女性は目の色が変わりますよね。
松田:本当ですね。漫画家のヤマザキマリ先生が、「日本の女性は神社にいる鳩みたいだ」っておっしゃったことがあって。本当は好きな場所に飛べるはずなのに、周りの制度や世間体にがんじがらめになってしまって羽が付いていることを忘れてずっと神社の庭を歩いている。
羽生:でも、それを乗り越えて気合いを入れ、飛び立つ瞬間を見ていると、女性ってこんなに変われるんだなって驚きます。少しうらやましいくらい。皆さん、おしなべてキレイになりますしね(笑)
松田:やっぱり、次こそは幸せになろう!って思うからですかね(笑)。女性は結婚、出産、離婚のタイミングでデトックスされるのかも。最近は子連れ再婚のステップファミリーも増えていますし。離婚して、再婚するところまで行って「ひととおり経験した」と言うのがこれからの女性かもしれないですね。
羽生:何も神社に留まらなくても、飛ぼうと思えばけっこう高いところまで飛べそうです。
松田:伝書鳩がいるくらいだから、そもそも高く飛べるんですよ、鳩は。ただ、環境に甘やかされたりして歩くようになっちゃうだけで。日本の女性も高く長く羽を広げてほしいですね。
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『離婚してもいいですか?』の志保が、夫に発散できずに溜め続けている鬱憤。この鬱憤が、「離婚」という2文字に姿を変えて、どこにも行けずに宙を漂っている。多くの夫婦がたどり着き得る、決して珍しくない形。共働きの家庭では、この問題の根底にある「稼ぎのアンバランス」が少ない分、夫婦関係をより対等に保てるのかもしれません。DUAL読者の皆さんが、離婚を考える母親に関して共感または批判をしながら、家族であることの意味を改めて考えるきっかけになるのではないでしょうか。
(ライター/三橋ゆかり)
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