なぜか(?)親の気持ちが穏やかになってくる
共感的表現は、初めのうちは親の気持ちがこもっていなくてもOKです。形だけ、口先だけでもかまいません。
なぜかというと、共感的表現を使っている間に、自然に子どもの気持ちや問題行動の理由を見る癖がつき、本当に子どもに共感できる機会が増えていくからです。「共感的な表現を使う」という親の行動の変化の結果、後から親の気持ちも変わっていくわけです。
「○○したい気持ちは分かるよ。でもね、……」
たったこれだけのフレーズですが、親にも子どもにもよい変化が生まれます。
それと、もう一つよい効果があります。共感的表現を使うと、親が怒っていても、多少、トーンを抑えた声で話すことになるのです。不思議ですねー。
ちょっとイメージしてみてください。子どもを叱るときに、怒鳴るような口調で共感的表現を使うママの姿を。
「まだ遊びたいんでしょ!! それは分かるわよ!! 遊ぶの好きだもんね!! でもね!! ごはんの時間だからイスに座ってよ!!」
……無理ですね(笑)。共感的表現を使うと、なぜだか、もっと抑えた諭すような感じの話し方に自然となるのです。ぜひお試しください。
(イラスト/ふじわらかずえ)
『どならない子育て』(伊藤 徳馬 著/出版社 ディスカヴァー・トゥエンティワン)から転載。一部加筆し、表現を変更しました。