こんにちは! 川合亮平です。

 今回は、「子どもの遊び」をテーマに、今英国ではやっているもの、そして、英国独特の文化を紹介します。

 日本と英国、物理的な距離はもちろんありますし、日本はアジア、英国はヨーロッパと地域にも大きな違いがあります。ですが、子どもの遊び事情は比較的似通っているというのが、過去10年弱、ほぼ毎年両国を行き来して、子どもと触れ合ってきた僕の感想です。

 英国でもポケモンは(いまだに)大人気だし、PSPなどのゲーム機は各家庭にあり、子ども達はニンテンドーDSに夢中になっている。最近ではタブレットやスマホのゲームをしている子ども達も多い。そんな状況を見て大人は「最近の子どもは全然外で遊ばなくなった」と嘆いている―そんな構図です。

 そんななか、この夏、英国でカルチャーショックを受けたことがありました。今年の2月に滞在したときには全くそんな気配はなかったのに、それがいきなり大流行して、社会現象化していたのです。

デジタル時代を逆行するアナログなおもちゃ

 “それ”とは、Loom Band(ルームバンド)。直径1cmほどの小さくてカラフルな輪ゴムを編んで、ブレスレットや指輪、ネックレスなどを作る“だけ”という、タブレット・スマホゲームの時代に逆行するかのような、おもちゃの織機です。

 小学生の女の子が火付け役となり、今年の春ごろからは英国で大流行し始め、品切れ店が続出。キャサリン妃やウィリアム王子が着けていたり、なんと、ローマ法王の腕にもルームバンドが確認されているのです! 成人男性でルームバンドのブレスレットをしている人は、ほぼ間違いなく小学生の娘さん(または息子さん)がいると言っても過言ではありません。

 僕らが滞在する義母の家から通りを挟んで向かいにある家では、子どもが何人か集まって、即席“ルームバンド店”を開いて、道行く人に自らの作品を売っていました(笑)。

 とにかく、猫もしゃくしもルームバンド状態です。その元祖ともいうべきRainbow Loomは、米国の権威ある玩具賞「TOY OF THE YEAR AWARDS」2014年の最優秀玩具賞を受賞。2013年の総売り上げは約43億円に上り、2014年はその倍の売り上げになる見込みだそうです。

ルームバンドの元祖「Rainbow Loom」
ルームバンドの元祖「Rainbow Loom」