ダイバーシティー推進に積極的に取り組み、功績のあった企業を顕彰する「J-Winダイバーシティ・アワード」(※)において、2012年度に「ユニーク賞」を受賞したバクスター株式会社。当年の受賞企業では唯一の外資系企業となりました。「管理職以上の男女比率=50:50」を目指し、着実に成果を上げている同社の、ダイバーシティーへの考え方・取り組みについて伺いました。
(※)NPO法人J-Win(ジャパン・ウィメンズ・イノベイティブ・ネットワーク)が主催。2008年から毎年1回実施されている。

「偏見の払拭」を主眼とした社内トレーニング

<バクスター株式会社>

米国に本拠を置くグローバルヘルスケア企業・バクスターインターナショナルインクの日本法人。設立/1969年。本社/東京都中央区。従業員数/950人(2013年12月末現在)。腎不全、血友病、輸液、麻酔、疼痛管理の領域に強みを持ち、医薬品、医療機器、バイオサイエンスを中心とした医療サービスを提供している。


人事総務本部長・執行役員の吉本靖弘さん

 バクスターがダイバーシティーに注力する理由。それは「イノベーティブな組織であるため」だと、人事総務本部長・執行役員を務める吉本靖弘さんは言う。

 「生命科学ビジネスにおいては、戦略上、イノベーションがとても大切です。イノベーションを生む組織とは、様々な考えを持った人々が集まっている組織。そのような組織を形成するためには、ダイバーシティーの施策は欠かせません。
 とはいえ、ダイバーシティーを推進すれば衝突も起きます。そのため私達はダイバーシティーというより、『インクルージョン(多様性の受容)』というキーワードに基づいて行動しています。これはグローバルでの取り組みで、4年ほど前から社内研修を開始しました」(吉本さん)

 同社が行ったトレーニングとは、見た目では分からない部分、例えば、それぞれの社員が育った環境、受けてきた教育、考え方、価値観、宗教といったものに配慮する必要があることを社員に理解させるというもの。eラーニングと講義形式で実施した。

 さらなる理解を促すために「パワー オブ マネージング インクルーシブリー」という名前のトレーニングを開発。これは「個々の社員に配慮することによって得られる利益」について、マネジャー層の意識を高めることを目的としている。

 「例えば、小さな子どもを育てているワーキングマザーがいたとします。そのマネジャーが『彼女は朝早くは出社できないはずだ』と考え、早朝のミーティングに呼ばなかったとしましょう。マネジャーは配慮したつもりでも、その意図が正確に伝わっていなければ、当の女性は『私は外された』と感じ、モチベーションを下げてしまう。彼女がハイパフォーマーであるほど、それは大きな損失につながります。そうした例を挙げながら、自身の思い込みや偏見を取り払い、組織のためになることを考える習慣付けをするのが狙いです」(吉本さん)

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