二人掛かりでよってたかって育児しました
──ご主人は子育てに協力的でしたか?
本当に協力的でした。うちは二人掛かりでよってたかってやっていたんです。夫も自由業で、家にいるものですから。
──よってたかって、ですか(笑)。
だから、子育てのノイローゼとは無縁でいられました。それは恵まれていますね。
──役割分担は決めたんですか?
何でもやってくれましたよ。お風呂もおしめも。ほとんどが母乳だったので授乳関係や離乳食は私が多かったですが、必要なときはミルクも作って飲ませてくれたし。買い物もしてくれました。「産褥シートを買ってきて」と頼まれたのがすごく嫌だったみたいですが(笑)、でもちゃんと買ってきてくれました。
実は私、子どもを産んですぐに乳腺炎で入院したんです。そのときも赤ん坊と二人で乗り切ってくれました。大変だったみたいですけどね。「ずっと泣いていたんだよ。ミルクを飲ませるといくらでも飲むし、どうしようと思った」っていまだに言いますから(笑)。
それぞれの親に頼らなくてよかった
──お互いのご両親に頼らなかったのは?
できると思ったんです(笑)。
やっぱり大切な時期ですし、しかも、私達夫婦は二人とも家で仕事をしているわけですから、私だけが実家に帰るのも変な話だろうと思いました。本当にそうしてよかったですね。
──育児以外の家事も分担しているんですか?
はい。今日も私が取材で遅くなりますが、夕飯作りは彼の番なので大丈夫。男性も家事ができたほうがいいと思いますよ、絶対に。
こういう話をすると、女性の方から「いい旦那さんね」と必ず言われるんです。でも、働いている女性だって同じことをやっているわけです。
女性が家事をやって、育児をやって、仕事をやっても、別に「偉いわね」と言われないけど、男性だったらいまだに「偉いわね」と言われるのは、やっぱり時代がまだそこで停滞しているということだと思います。確かに上の世代には「息子を台所に立たせるなんて」という方もいらっしゃるじゃないですか。そういうところから少しずつ自由になれたらいいなと思いますね。
(取材・文/日経DUAL編集部 大谷真幸 写真/大橋宏明)