わが愛しの、あの店もこの店も……、なぜに?

 大げさな言い方をするならば青天の霹靂、てなことが相次いでいる。

 まず「キャセロール」がなくなってしまった。以前このコラムでも取り上げた、カレーが抜群に美味しい洋食屋さん。予約をしようと思って電話をしたら、いつまでたってもつながらない。あれ? 定休日かなとも思い、念のためにホームページで営業日を確認したところ、なんとそこには閉店のお知らせが……。(「八塩圭子 子連れになって外出先も、過ごし方も様変わり」参照)

 くぅーーー。3種類の肉が入ったミートミックスカレー、大好きだったのに。俺的には神保町「ボンディ」、金沢の「チャンピオンカレー」と並ぶ3大カレーの一つだったのに。てか、お店の人の感じもすごくよかったし、虎がオトナになってからも通えるだろうなってちょっと楽しみにしてたのに。

 青空が広がっているのに雷が鳴った。ビックリした。それが青天の霹靂。まさかあんなに繁盛しているお店が閉店してしまうとは、世の中、わからんもんです。

 でも、「え? まじで?」的なニュースはまだあって、「涼しくなってきたなあ、そろそろまた作るか」と思って出かけていった、これまたこのコラムで紹介したおでん種屋さんが消滅していたのである。(「金子達仁 我が家の『知らないほうが幸せなこと』参照)

 「キャセロール」の閉店もショックだったが、この「愛川屋」の閉店も目茶苦茶ショックだった。ミートミックスカレーはせいぜい一月に1回食べるか食べないかだが、以前にも書いたように、我が家の食卓におけるおでんはサッカーで言うところのペレであり、阪神タイガースで言うところのバース様であり、つまりは絶対に欠かせない献立の大黒柱なのである。

 幸い、ついに後継者の現れなかったペレやバース様と違い、「愛川屋」の代替店はすぐに見つかった。ネットで検索したところ、クルマで10分ほど行ったところにある商店街の中に、「小川屋」というおでん種専門店が明らかになったのである。早速出かけていってしこたま買い込んでみると、これがまた実に美味い。「愛川屋」にはなかった、ピリッと辛味の効いた種もあって、ま、ペレではないがマラドーナな感じなのである。