今、注目を集めているテレワーク。言葉は聞いたことがあるけれど、実際にはどんな働き方なのか、企業や組織がスムーズに導入、実現するにはどうすればいいのでしょうか? 日本初のテレワーク専門のコンサルティング会社(株)テレワークマネジメントを設立。企業の在宅勤務導入支援や、国や自治体のテレワーク普及を数多く手がけてきたテレワーク推進の第一人者・田澤由利さんが解説します。

 本連載も5回目。今回は、現場の声から、実現まで9年の月日がかかった、育児休業に関する規則の改正についてお話しよう。在宅勤務を中心として、柔軟な働き方「テレワーク」を、今、国は確実に推進している。

子育て中の在宅勤務ママが大臣室へ!

 『会社を持ってまいりました』

 小渕優子経済産業大臣と女性経営者との懇談会。私はそう言って、タブレットパソコンの画面を大臣に向けた。

 そこには、ネット上の会社があり、机が並んでいる。北海道、東京、奈良のオフィスと、それぞれの自宅で在宅勤務をしている社員が、一緒に働いている。子育て中で在宅勤務をしている社員を呼び出すと、小渕大臣はぐっと身を乗り出し、彼女と話を始めた。

小渕優子経済産業大臣と女性起業家の懇談会の様子
小渕優子経済産業大臣と女性起業家の懇談会の様子

 在宅勤務でも、みんなと一緒のオフィスにいる。いつ呼び出されるか分からないので、緊張を保ちながら仕事をしている。もちろんパジャマで仕事はしない。
 懇談会の後、小渕大臣は、「テレワークの普及、大切だよね。 在宅勤務の彼女に、頑張ってと伝えて!」と力強く言ってくださった。

 懇談会の様子が47NEWSの動画で公開されているので、ぜひご覧いただきたい。

・47NEWS動画『小渕経産相、政権姿勢PR』(2014年09月18日)
http://www.47news.jp/movie/general_national/post_790/

育児休業中でも、在宅勤務で収入を80%に!

9月初旬、厚生労働省から、以下の通達が出された。

『平成26年10月1日から育児休業期間中に就業した場合の育児休業給付金の取扱いが変わります』
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000042797_2.pdf

「育児休業給付金の取扱いが変わる」という、一見、小さな変更のようであるが、働きながら子育てをする人にとっては大きな意味のある、育児休業給付金規則の変更だ。

厚生労働省からのリーフレットと、労使のメリット
厚生労働省からのリーフレットと、労使のメリット