公立中学校からDP課程に進むことは可能なのか?

 このように、日本でも国際バカロレアの導入が本格化する中、GMN(Global Moms Network)が行った国際バカロレアの勉強会では「日本の公立小中学校からDP課程の高校に行っても対応できるのか?」という質問が相次いだ。

 高校で初めて国際バカロレアの教育理念に触れることになっても、突然の環境の変化についていくことは可能なのだろうか。

 「わずかとはいえ、英語でしか受けられない科目が残っている以上、入学時点で、ある程度の英語力は必要です。ただそれ以上に必要なのは、自分で調べて、検証して、論文を書くなど、様々な事象を考える力、やりきる力でしょう。日本の学校と違って、何をテーマに研究するかなどはリサーチの段階から自分ですべてやることになりますから」

 「また、6科目を選択するに当たり、自分が将来どんな道に進みたいのか、何に興味があるのかは、中学校のときから考えていてほしいですね。日本ではDPからの導入となりましたが、その準備期間を作るという意味でも、私立の中高一貫校などでは中等教育プログラム(MYP)課程が増えていくのではないかと思っています」

 国際バカロレアでは、DP課程での教科選択が大学入学後の学びにもつながっている。大学や将来の仕事に直結する勉強ができるというのが大きなメリットである一方、まだ自分が将来どうしたいのかを描けていない生徒にとっては難しい部分もあるかもしれない。

 高校からDP課程を選択する場合、自分が将来どんな仕事をしたいか、そのためには何が必要か、公立中学校時代から本格的に考え始めることが必要になりそうだ。