2016年からは日本語でも受講可能 その大きなメリットとは

 今までこの国際バカロレア教育は、インターナショナルスクールや一部の私立校でのみ導入されてきた。もちろん授業も英語のみ。しかし昨年、日本語でも受講できることが決まったのだ。

 国際バカロレア機構と調整を続けてきた坪谷さんは言う。

 「すべて英語のまま導入したら、帰国子女など一部の人のためだけの教育になってしまいます。でも、数学や物理、経済や歴史などの最終テストも日本語で受けられることになり、課題論文なども日本語で評価されることになりました。2016年度からは言語B(外国語)と芸術科目以外は、日本語で受けることも可能になるのです」

 「例えば、IBのスコアが40点だった場合、英語以外のほかの言語で受けても、もちろん日本語で受けても世界的な評価は同じ。これだけの行動ができる能力、分析できる能力、論文が書ける能力がある生徒だということをIBのスコアが世界に証明してくれます。これは、日本の生徒にとっても大きなチャンスでしょう」

 実社会と結びつけながら、世界的な視点を育てる国際バカロレア教育は、世界のトップ大学からも一定の評価を受けている。

 例えば、スタンフォード大学の場合、一般志願者の合格率が7%のところ、DP修了生の合格率は15%。ハーバード大学ではハイヤー科目が7点の場合は、入門科目などの一部教科が履修免除になるという。

 そして最近では、日本の大学でもIBのスコアが評価されるようになりつつある。

 「卒業生が何万人も出るようになったところで、年間500万円かかる海外の大学に行ける人は限られています。でも、日本の難関国立・私立大学も門を開き始めました。東大、京大、筑波、早慶などに始まり、多くの大学でIBのスコアが評価され始めています。その中には文系学部に限らず、医学部などの理系学部もあります。こういったケースがさらに増えていくと思われます」