「文系・理系」関係なく、6科目を選択して評価を受ける

 国際バカロレアのDP課程では、6つのカテゴリーから科目を選択する。

1) 言語と文学(母国語) 科目例:言語A(文学、言語と文学、文学と演劇)
2) 言語取得(外国語) 科目例:言語B(初級語学)
3) 個人と社会 科目例:ビジネス、経済、地理、歴史、哲学、心理学、宗教
4) 実験化学 科目例:生物、化学、物理、環境システム
5) 数学とコンピューター科学 科目例:数学、コンピューター科学
6) 芸術 科目例:音楽、芸術、ダンス、フィルム、演劇

 上記で選択した6科目のうち、2~3科目はスタンダード、3~4科目はハイヤー(高いレベル)と決めなくてはならない。スタンダードだと年間150時間の受講のところ、ハイヤーだと年間240時間の授業を受けることになる。このハイヤーに何を選ぶかというのは非常に重要で、ハイヤー科目のスコアを入学最低ラインに設定したり、入学後の履修免除の基準にする大学もある。

 「例えば、大学で医学部に進学する場合、ハイヤー科目に物理と数学を選択しておいた方が有利です。(国内の学校でPYPからDP課程まで学んだ)私の娘は教育学部を志望していたので、ハイヤーに心理学を選んでいました。DPでは、最後に卒論も書く必要があるのですが、その題材もハイヤーの中から選びます」(坪谷さん)

 また、6つの教科以外にも、課題論文、TOKと呼ばれる研究発表(「Theory of Knowledge」の頭文字。最終的にはプレゼンテーションと論文による試験あり)、ボランティア活動やスポーツ活動の3つのカリキュラムがあり、これも2年間のDP課程の評価項目に含まれている。

 最終試験は12日間かけて行われ、学校の教員だけでなく、国際バカロレアの評価委員もチェックする。内部評価と外部評価を合わせて総合的な最終評価を決めるという。各教科は7段階評価で、最高点は6科目合計で42点。ここに、課題論文などの3点が加わり、全体の最高点は45点となる。この点数が最低でも各科目4点以上で、合計24点以上でないと、DPを修了したことにはならない。