パッケージの段ボールはベビーベッドに変身

 この育児パッケージは、かわいらしいイラストの厚手の段ボール(70×43×27cm)製だ。この段ボールは、実はそのままベビーベッドとして使うことができるようになっている優れものだ。

 底には厚さ約4cmのマットが敷かれ、布団やシーツなどと共に防水のマットカバーも同梱。まだ衛生面に不安があった時代でも、赤ちゃんが安全に眠れる場所を確保できるようにとデザインされてきた。しっかりしたベビーベッドを用意する家庭が増えた今でも、ちょっとした外出時に持っていったり、子どもが成長後はオモチャ入れに使ったりする人も多いという。

 この育児パッケージの内容は、親の声を反映して毎年少しずつ変化を遂げている。
 例えば、エコへの関心が高まったことなどから数年前に紙オムツから布オムツに変更。それにより約70万枚の紙オムツの消費をやめたことになった。また、WHOの母乳推進の動きも強まり、母乳育児が与えるよい効果がフィンランドでも普及したことから、粉ミルクや哺乳瓶を入れるのをやめ、代わりに母乳パッドが加わった。よだれかけも一時期なくなっていたが、母親達の要望で近年復活したものだという。こうした要望を入れながら、フィンランドの様々な企業が参加するコンペを通して、毎年決められていく。
 母親達の声や時代の流れを反映し、中身が毎年少しずつ改良されていく発展的な育児パッケージだ。