もともとこの育児パッケージは、乳児死亡率の高かった1900年代始めに民間の母子支援活動から始まったもの。それは1937年に法制化され、母親手当の現物支給となり、当時あった所得制限も1949年には撤廃されている。今では地域の出産や子育ての支援センター「ネウボラ」や医療機関で妊娠健診を受診していれば、全員もらうことができるようになっている赤ちゃん歓迎の祝福のシンボルだそう。

子育てから避妊まで考えられたパック

 この育児パッケージは、これさえあれば子育てがスタートできるという魔法のボックスでもある。衛生面でも経済面でも非常に厳しい時代にスタートしたこともあり、赤ちゃん誕生に向けて何も準備ができない家庭であっても、赤ちゃんを迎えて生活が始められるような約50点がセットされている。

 「私もこの夏に第3子が生まれたばかり。多くの親は、これを受け取ると国から子どもの誕生を祝福されている気がすると言います」
 と話すのは、駐日フィンランド大使館参事官のミッコ・コイヴマーさん。『フィンランド流イクメンMIKKOの世界一しあわせな子育て』という子育て体験記も出版しているイクメン代表のミッコさんは、この夏、3回目の育児休暇をとったばかりだ。