自分が不利益を被る可能性があること

 侮辱的な内容等を他人に投稿された場合は、書いた当人に削除してもらうのが一番だ。匿名で誰が書いたか分からない場合も、掲示板やサイト等の管理者に依頼すれば削除できる。管理者が対応してくれない場合も、プロバイダーに要請すれば書き込んだ人を特定したり、書き込み削除も可能だ。その際、法務局・地方法務局の人権擁護機関では、プロバイダへの開示請求や削除要請の仕方の助言、プロバイダに対して被害者に変わって人権侵害情報の削除要請も行っているので、相談したい。

 しかし、問題ある情報や写真を自ら公開してしまう子どももいる。

 例えば、カンニングや万引きなどの自分がした悪いこと、裸の写真や動画などだ。悪事の告白や裸の写真・動画などは、面白がったり、悪意を持って情報を広めたりする人がいる。そのような人の手にかかると情報は一気に広まってしまい、コピーされて削除しても再投稿されたり、ひどい場合はその流れや他者の反応を読みやすくまとめた「まとめサイト」を作られたりする可能性がある。結果、ネットで非難や誹謗中傷等が殺到するいわゆる「炎上」という現象につながる。

 そうなると、もうネットから完全に削除することは不可能になってしまう。

 ネットには、問題ある書き込みを積極的にネットやSNSで探している人達がいる。投稿した時点ですぐに見つかり、広められてしまう可能性も高い。将来自分が不利益を被る可能性があることは、絶対公開してはいけないことを忘れてはならない。

「友達だけしか見ない」はあり得ない

 炎上等の被害に遭った子どもの多くは、「友達だけに見せるつもりで書いた(投稿した)のに」と言う。実際、今の子ども達は、SNSも多くの人と知り合うためではなく、友達とやり取りをするために利用する子が多い。