普通のやり取りでさえ難しいのに、さらに感情が絡むやり取りとなると、大人でもうまくいかない可能性が高い。

 実際に対面して話すのであれば、お互いの気持ちの機微を感じることもでき、言い過ぎた場合はフォローもできる。しかし、SNSやメールでは相手の反応がすぐに見えないので、誤解させたり、深く傷つけてしまう可能性があるのだ。「友達に気持ちを伝えたい場合や、怒ったり悲しい時は、必ず直接会って話す」ことをしっかりと指導しよう。

 口頭でのけんかと違い、LINEやメール等が怖いのは「記録に残ること」だ。

 後から読み返すこともできるし、コピー&ペーストしたり、転送したりすることもできてしまう。一度相手に送ってしまったら取り返しがつかない。

 LINEでのコミュニケーションは素早くチャットのようにやり取りされるが、反射的に考えないで書き込むと、問題発言につながる可能性が高い。「一度送ってしまったら取り返しがつかない」ということを十分に説明し、投稿や送信の前に一度読み返し、冷静になってから送る癖を付けさせよう。

個人情報、写真公開に注意!

 SNSなどの多くの人が見る場所に書き込むと問題が起きる可能性が高いのが「個人情報」だ。ストーカー被害や誘拐、空き巣被害などにもつながりかねず、家族にも被害が及ぶ可能性がある。

 個人情報とは特定の個人を識別できる情報のこと。具体的には氏名、住所、電話番号、生年月日、出身校・在籍校、勤務先、家族構成、病歴、顔写真などが該当する。特に氏名や出身校・在籍校、顔写真などは、子どもがうっかり公開してしまいがちなので注意しよう。

 個人情報は、自分の情報だけではない。友達の個人情報も、勝手に公開してはいけないものの一つだ。友達の実名や顔写真を勝手にSNSなどに掲載すると、トラブルになってしまうので注意が必要だ。

 メールアドレスやLINE IDも個人情報に該当し、子どもが気軽に公開しがちな情報の一つだ。未成年はID検索が利用できないが、保護者のスマホなどをお下がりで使っている場合は利用できてしまうという抜け穴がある。LINE IDは、IDが分かれば友達になることができ、トーク・写真・動画の送受信に加えて通話までできてしまう。出会い系被害などにつながる可能性が出てくるので、注意が必要だ。