月1回程度、みんなでおやつを作って食べる

 宿題を終えた子ども達は、16時のおやつの時間までは自由遊びの時間となる。児童館併設型学童である原町の学童の児童は、児童館の施設も使って自由に遊べるが、ひもんやには児童館がない。とはいえ、区内で一番の広さを誇るので、そこは問題ない。

 プレイルームでボール遊びをしたり、ボーリングをしたり、学習室で工作をしたり、ボードゲームをしたり、畳コーナーでブロックで遊んだり、図書コーナーで読書をしたり……。

 というのが、普段の平日の風景なのだが、授業が早く終わる水曜日は、学童児童全学年そろって長く過ごすことができるので、何らかのイベントが行われることが多い。そういう日には、自由遊びの時間は短縮されることもある。

畳スペースで遊ぶ

ドミノ倒しに熱中する子も

 取材に訪れたこの日は、おやつが豚汁とごはん。しかも、その豚汁はみんなで作り、斜め向かいの田向公園で火を起こして飯ごうでごはんを炊くのだという。子ども達がみんなで調理して一緒に食べるといった活動を月に1回程度行っている。これはひもんやだけでなく、区内どこの学童でも行われているという。

 まずはプレイルームを覗いてみると、並べられた机にまな板を置いて、豚汁の食材であるタマネギやニンジン、豚肉などを1年生と2年生が職員に見守られながら上手に切っていく。みんなで自分達のおやつを作るというのは、やはり楽しそうだ。

包丁の使い方や野菜の切り方を丁寧に指導してもらえる

調理は職員と一緒に

田向公園でまきに火を付け、飯ごうでごはんを炊く

 しばらくその様子を眺めていると、今度は田向公園で火を起こし、飯ごうでごはんを炊くという。急いで公園に向かうと、ちょうどまきで火を起こしているところだった。外でごはんを炊くのは学童の最上級生である3年生の役目。アコガレだった仕事を任されることになった3年生はみんな誇らしげだ。しばらくすると、ごはんのいい匂いが立ち込めてきた。

 ごはんが炊き上がると、学童に戻ってみんなでおやつの時間。子ども達が一生懸命作ったおこげ入りのごはんと豚汁は、本当においしかった。

盛り付けもみんなで

全員参加で作った豚汁とおこげ入りごはんがおやつ

班ごとに座って食べる

 「みんなで作ったおやつはどうですか?」と聞いてみると、「おいしいー!」と満面の笑みであちこちから返事が返ってきた。公園で飯ごうでごはんを炊くのは暖かい夏場だけだそうだが、それでも都心の学童でちょっとしたアウトドア気分を味わえるような活動ができるのは、子ども達にとって素晴らしい体験になることだろう。こんな体験が公設の学童でできるものだとは思っていなかったし、知らなかったので驚いたというのが正直なところだ。