わが子(部下)の選択や行動を信じて、静かに見守る

(2) 見守る力

 誰にとっても働きやすい環境をつくり、かつ生産性を高められるマネジャー。それがイケてるイクボスのあるべき姿です。
 チームの生産性アップのために欠かせないのが、いちいち指示しなくても自発的に仕事を進めることができ、高度な課題も乗り越えられるメンバーの育成です。
実力から考えて少しハードルが高いと思える課題を与えて、「任せる」ことができるかどうか。
 自分で何でもこなしてきた元・優秀メンバーのマネジャーに限って、「自分でやったほうが早い!」と仕事を乗っ取ってしまったり、付きっきりで細かくやり方を指導してしまったりしてするのですが、それでは部下は成長しません。思い切って、任せて、見守る。要は相手を信頼できる力ですが、これは思春期育児にも通じます。

 例えば、受験などを控える子どもに対し、進路について親の考えを押し付け過ぎたり、「○○ちゃんはそんなやり方じゃできないんだから」と子どもが自ら試行錯誤するプロセスを否定したりしては、子どもの自立心が萎えてしまいます。わが子の選択や行動を信じて、見守る力が問われます。

子ども(部下)に「向き合う」ということは「逃げない」こと

(3) 向き合う力

 これは「逃げない力」と言い換えてもいいでしょう。
 つまり、何かトラブルが発生したときに、しっかり逃げずに上司や部下に向き合い、最後までフォローするということ。それが、後の信頼関係につながり、職場の風土にまで影響するということはたびたびお話ししてきましたよね。思春期の子育てに置き換えると、親が子どもに向き合い、本気で一緒に問題解決する姿を示すことが求められるのです。

地方出張中の長女中2家出事件にイクボスはどう対応したか

 僕自身の「長女中2家出事件」という強烈な体験をお話ししましょう。