断熱材は家全体を覆うように設置する
家の断熱性を高めるには、もちろん家そのもの、つまり壁や天井、床などの断熱も重要だ。壁や天井、床に断熱材を入れることは法令でも基準が設けられているが義務ではないため、十分な断熱性能があるとは限らない。住まいを選ぶ際にはしっかり確認することが大切だ。
「今のエアコンは設定温度になると自動で出力を絞るタイプが一般的ですが、断熱性の低い家では真夏はなかなか冷えずに高出力運転が続いてしまいます。これは昼間の日射で室温が下がらない状態が続いてしまうためです。断熱性が確保された家ではすぐに冷え、温度を保つ能力も高いので電気代が節約できます」
最近は高齢者などが真夏に室内で熱中症にかかるニュースもよく耳にする。家の断熱化は光熱費ばかりでなく、住む人の健康にも関わる問題だ。
「壁や天井の断熱化もリフォームで可能ですが、性能を確保するには家全体を隙間なく断熱材で覆う必要があります。場合によっては、百万円単位の費用がかかるでしょう。やはり新築のときから、省エネ法で定める省エネ基準を満たすレベルの断熱性能を確保しておきたいところです」