「すごく手をかけた分、効果が大きい」ということは日常あまりないかもしれません。親もパワーをかけずに、子どもに効果的なことを考えてみてはいかがでしょう。

 子ども達にとっていちばん大事なことは、「毎日同じことが繰り返される」ということです。親が手をかけ、労をかけ、遠方へ連れていくことよりも、こちょこちょ遊びで毎日15分思いっきり遊んであげたほうがよい場合もあります。

 ある日、電車に乗っている親子がいました。子どもは眠っていたのですが、「ほら、電車よ! 特急よ!」と、母親が興奮気味に子どもを起こしています。60分に1本しか見られないものだから、子どもが好きな電車だからとママは必死なのですが、一方で、子どもは大泣きです。これも、親の思惑なんですね。

 またある日は、子ども達と遠足に水族館へ行きました。食後に催し物のある広場へ行く予定でしたが、真夏日でしたのでそこまで歩くのはきついと思い、やめました。立っているだけでもつらい炎天下。私達の横を多くの親子連れが通り、屋上まで歩いていきました。「せっかくだから・・・」という声がたくさん聞こえてきそうな風景でした。

多くのことを経験させるより、たった一つの経験を膨らませてあげる

 親は子どもの反応を過度に期待しないということも大切です。やったかいのあることには、いつか子どもは返してくれます。効果が少ないと感じるときもあるかもしれませんが、親はじっくりゆっくり待っていてあげたいものです。

 また、たった一つの経験の効果を膨らませることもお忘れなく。