最近、肥満や太り気味の子どもたちが増えています。その背景にあるのが、子どもの生活習慣の乱れ。夏休み中に夜型生活になってしまったり、食生活が乱れてしまったということはありませんか。子どもの生活習慣の乱れが健康に及ぼす影響は少なくありません。新学期がスタートした今こそ、子どもの生活習慣を今一度見直してみよう。

小児期から生活習慣病の予防が必要


 日本人の3大死因はがん、心疾患、脳血管疾患だが、これらの疾患に至るまでに高血圧や高脂血症、糖尿病などにかかる場合が多く、その背景として肥満があるとされる。「近年では子どもの肥満が問題視されていて、小児期からの生活習慣病予防の必要性も指摘されています」と多摩ガーデンクリニックの杉原桂院長は説明する。

 小児肥満の割合は、ここ30年間で2~3倍にまで増えている。文部科学省「2010年度学校保健統計調査」によると、肥満傾向の子どもの割合は、10歳で男子10.37%、女子8.13%だった。特に男子は10~12歳、15~17歳で10%以上が肥満傾向であり、国民健康・栄養調査でも体格の変化として、肥満や太りぎみの子どもが増えているとの報告がある。

 なぜ肥満傾向の子どもが増えているのか。それは、生活習慣の急激な変化が挙げられる。生活習慣では食事、睡眠、運動の3つが重要となるが、食事では朝食の欠食や夜間の摂取頻度の増加、睡眠では夜更かし傾向による睡眠不足、学校以外で運動をする子どもの割合が減少していることなどだ(図)。それぞれについて現状を見直し、改善すべきところは改めたい。