集中力や意欲の低下も、夜型の生活パターンの影響


 食事については、「3食きちんと摂ること、質の高いものを食べるようにすることが重要」と杉原院長は指摘する。

 近年の食事の変化としては、夜型の生活パターンになっているのが特徴。夜食や間食は増えている一方、朝食を食べない子どもが増えている。朝食の欠食は肥満だけでなく、集中力や意欲の低下といった学習面への悪影響も懸念される。

 質の高い食事というのは、栄養のバランスを考えて、適量を摂るということだ。総カロリー摂取に対する脂質の割合は、昭和30年代と比べて平成以降は倍増しているとの指摘もある。脂質を摂るにあたっては、動物、植物、魚由来の脂肪をバランスよく摂ることを心がけたい。

 睡眠習慣について、杉原桂院長は「共働き家庭の場合、親のスケジュールに子どもを合わせてしまいがちだが、それは間違い。毎日同じ時間に起きて同じ時間に寝ることが大事」と説明する。


 子どもの睡眠を考えるうえで大事なものとして、成長ホルモンがある。脳の下垂体から睡眠が始まるとともに分泌されるホルモンで、睡眠開始後約3時間の間が、一日の中で最も分泌量が多くなり、睡眠中のたんぱく質の合成に関係し、筋肉や骨格の発達にも大切な働きがあるとされている。「寝る子は育つ」というわけだ。