その理由は、これは僕がロンドンで体験したカルチャーショックの一つなんですが、ロンドンで子連れで電車に乗ろうものなら、それを見つけた乗客が先を争うように、我先に席を譲ろうとしてくれるのです。たまたま親切な人に当たったのではなく、ほぼ100%体験します。

 また、エレベーターがほぼない(笑)代わりに、誰かが必ずベビーカーを持つ手伝いを申し出てくれます。もちろん、子連れや子どもだけでなく、高齢の方に対しても、誰かが必ず席を譲ります。助け合い・譲り合いの精神が社会の中で“常識化”しているのです。ロンドンの電車は日常的に遅れるし、クーラーがないので真夏は蒸し暑いですが、子連れ家族にとって社会の優しさを感じられる場所でもあります

子どもとお出かけ日英比較その3 公共トイレ編

 最後に、日本のいいところも一つ(笑)。子連れが日常的に利用する駅やお店などの公共トイレ。この清潔さと設備は、日本がダントツに素晴らしい。最近のデパートに見られるような、授乳室と休憩室が合わさったようなラグジュアリーな施設は、日本が世界に誇れるものだと思います。ロンドンで外出するとき何が恋しいというと、僕は日本のデパートのラグジュアリー子ども休憩室が恋しい(笑)。妻もそう言ってます。

英国の子ども向けTV番組は最高だ

 わが家の子ども達が英国で楽しみにしていることの一つは、TV。TVばっかり見せて、育児放棄かと叱られそうですが(笑)、英国の子ども番組の充実度には目を見張るものがあります

 国営放送のBBCには、主な子ども向けチャンネルとして2つのチャンネル、幼児向けチャンネルCBeebies(シービービーズ)と低学年向けチャンネルCBBCがあり、それぞれのチャンネルでは朝から晩まで、ハイクオリティーな(いわゆる、親が子どもに見せたいと思うような教育的な要素がふんだんに入った)番組が放送されています。

 BBCには、老若男女すべての国民に対して平等に番組を提供するというのが一つのコンセプトであることと、子ども向け番組に予算がしっかり組まれているという背景があるのですが、それにしても、英国の子ども達は良質なTV番組に恵まれていると感じます。うちの子ども達も、そんなBBCの番組を通じて、手話や園芸やブレイクダンスの知識を得たり、工作を一緒にしたり、ボーッと見ている以上に何かを学んでいるようです(決して、TVばかり見せているわけではないですが(笑))。

TVを見せる時間があるときはBBCのDVDを

 日本にもいい子ども番組はありますが、英国に比べると数が少な過ぎるし、商業主義一辺倒で暴力が過ぎるヒーローモノが幅を利かせ過ぎで、チョイスがそもそも少ないと思います。

 僕の方針でわが家では「何とかレンジャー」「何とかライダー」は基本的に子どもには見せていません。TVを見る時間があるなら、英国で買ってきたBBCの番組のDVDを見せています。当然英語のインプットにもなるし、“教育的”な内容で子どもが何かを学べるので

 英国のDVDのリージョンコードは日本と一緒なので、日本のプレーヤーでも普通に再生できます。送料など高くなりますが、日本からアマゾンUKを通じて購入することも可能です!