で、NHKというテレビ局に入ってみたいなと思ったんだけど、もともと目指していた新聞社と試験日が一緒だった。うーんと考えて、NHKを受けてみたら運よく入れた。入ってからは、とにかく「早く一人前になりたい」と思って、キツイ仕事にも手を挙げて必死でやった。
 すると、努力を認めてもらえて、ニュースを届ける記者として成長できるチャンスをどんどんもらえるようになった。しばらくして、気象庁から台風情報を伝える仕事も任されて、「おや、興味があった天気予報の仕事までできているぞ」と思ったこともあったよ。

いつのまにか子どもの頃の夢に近づいていた

 そして、今は、会社に属さない「ジャーナリスト」として、日本や世界のいろんな場所に行って取材したり、調べたりしたことを、テレビや新聞、雑誌で伝える仕事をしている。新聞にコラムを書くこともやっているから、いつのまにか子どもの頃の夢だった新聞記者に近い仕事までしていることになる。つまり、新聞記者にはなれなかったけど、同じようなことはできているというわけ。
 もっと言うと、「新聞記者になりたい」というのは、“本当の夢”じゃなかったってことに、大人になってから気付いたんだ。