重症化しないうちは、水分とともに電解質(塩分。塩素、ナトリウム、カリウムなど身体の働きに欠かせない成分)の補給が大切。市販のスポーツドリンクやりんごジュースなどは塩分が少ないので、できれば経口補水液を飲ませるようにする。 飲ませ方のポイントとしては、少量を複数回に分けること。嘔吐や下痢のたびにこまめに与え、吐き気が治まってきたら栄養とカロリーを補うために少しずつ食事を摂るようにする。ごはんやパンなどの炭水化物、豆腐、白身魚、赤身や鶏肉など脂身の少ない肉、野菜、果物、ヨーグルトなどが推奨されている。

 ただし、下表のような症状がある場合は重症化している可能性があるので、小児科や内科の受診が必要となる。「特に幼児は脱水症状になりやすく、自分で症状を訴えられないので、子どもの様子をよく観察するなど親のケアが必要です」(杉原院長)

 予防としては、食材はよく加熱し、調理した食べ物は常温で保存せずにできるだけ早く食べる、食事の前には必ず手を洗うことを心がけよう。特に、ファーストフード店では多くの人が手を洗わずに食べている様子が多く見かけられるので、手洗いの習慣づけをしておきたい。