35年以上にわたって中学・高校受験の指導を行い、灘・開成・麻布・桜蔭・女子学院などの有名校に2500人以上を合格させてきた「かしこい塾の使い方」主任相談員の西村則康先生。今回紹介するセミナーでは、「かしこい塾の使い方」主任相談員の小川大介先生と共に、参加した保護者からの質問に具体的にアドバイスを行いました。参加者から事前に寄せられた質問に対する回答の様子を6回に分けてお送りします。「中学受験 国語の記述、ダラダラした長文でいい?」に続く、最終回。テーマは「理解を導くための上手な声掛け」です。

【Hさん(小学5年生の母親)】

 小学4年生の夏期講習から日能研に通わせています。先日の実力判定テストの算数の結果が散々で、ショックを受けています。正しい勉強法が身に付いていないどころか、塾に通えば通うほど分からないことだらけで、子どもはますますやる気を失っている気がします。塾のある日は帰宅後に食事や学校の宿題をのろのろ済ませ、疲れて眠くなってきて、当日の授業の宿題もままならない状態です。

 本人はいつも「時間が足りないから、勉強が思うようにできない」と言っています。私はフルタイムで働いており、平日夜はほとんど勉強を見てあげることができません。平日の朝や休日にできることがあれば、アドバイスをお願いいたします。

西村則康さん(左)、小川大介さん(右)
西村則康さん(左)、小川大介さん(右)

小川先生(以下、敬称略) Hさんのお子さんは「分からない」ときにどうしたらいいのかをまだ知らないのだと思います。このお子さんに必要なのは壁にぶつかったときの対処法でしょう。「調べる」「聞く」「ノートに戻る」など。一人で悩んだり考えたりしていても問題は解決しないということに気付かせてあげる必要があります。勉強がうまく回っている生活パターンとはどういうものかを理解させてあげてほしいですね。

西村先生(以下、敬称略) 私もその通りだと思います。それに加えて、基礎学力はどうだろう? という疑問もあります。特に、分数計算などに不安を覚えます。

 「分数の問題が分かる、分からない」は、実はとても大きいのです。分数は割合であり比例ですから、分数がサラサラと分からないと、割合も比例も分からないことになります。そうした基礎学力の訓練も、少しずつでいいので毎日やっていくことが大切だと思います。

問題文を1行ずつ確認し、子どもがどこでつまずいているのか把握する

質問する参加者
質問する参加者

Hさん 分からない問題こそ自分で考えて解くまでになってほしいのですが、立ち往生して「ボーッ」としてしまうようです。親として、どんな方法で手を差し伸べていいのか分かりません。

西村 いいご質問だと思います。

 例えば問題文が5行あったとします。お子さんと一緒になって1行ずつ読み、お子さんがどこまで理解できていたのかを確認していく。そうやって、分からない箇所を絞り込んでいくのです。

 「ここで分からなくなった」というところについて、ノートを見返したり、先生に聞いたりします。過去に解いた問題に似たものはなかっただろうか? と考えるのも効果的です。

 親がするのはそこまででいい。正解まで導くのは、先生の役割です。

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右から西村則康先生、小川大介先生
右から西村則康先生、小川大介先生

日時/2017年2月18日(土)
●10:00~12:00 【新小1~小4対象】
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●13:30~15:30 【新小4~小6対象】
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定員/各100名(申込先着順、定員になり次第締め切らせていただきます)
受講料/各10,800円(税込)
会場/富士ソフトアキバプラザ(東京・秋葉原) http://www.fsi.co.jp/akibaplaza/map.html
JR秋葉原駅徒歩2分
講師/西村則康先生(家庭教師 名門指導会 代表)&小川大介先生(中学受験専門個別指導教室SS-1 代表)

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