安易に「お任せください」と言う個別指導、家庭教師は信用しない

参加者のメモをする手が止まらない
参加者のメモをする手が止まらない

西村 ここまでお聞きになって、Gさんも皆さんも色々感じられたと思います。

 さて受験勉強では、信頼できる第三者が必要になるときが必ず訪れます。かけるお金も限られている、いつからどんなふうにお金をかけるかは確かに重要な問題です。お金をかけるのを後にすると、総額は減ります。でも、手を打っても間に合わない可能性だってある。直前で間に合わせようとすると、その分、余計な費用がかかる場合もあります。

 家庭教師や個別指導を選ぶ際には、総額部分も踏まえて相談したほうがいいでしょう。

 しかし業者によっては、コマを多く埋めさえすればいいと考えるところもある。つまり、「できるだけ長い時間、指導をしたい」と言ってくるところもあります。そこにはご注意ください。

小川 「お任せください」と安易に言う家庭教師や個別指導は、信用しないのが得策です。逆に、「お母さん、お父さんはどこまでできますか?」と問いかけてくるところと付き合うことをオススメします。

 入試の前日、当日、お子さんと一緒にいるのはご家族です。家庭ができることを見極め、プロができることを担当する、というのがプロの発想です。

 売り上げしか考えていないところは、まず「すべてお任せください」と言いますよ。

 でも、子どものことに対して親が口を出せない状態をつくって、中学受験という一大プロジェクトを成功させられるわけがありません

 他にも、自習時間を考慮しない、どこがつまずいているのか把握していない状態で、授業のコマ数だけを早々と決めてしまうのもアマチュアです。

 プロは算数だけの相談であっても、他の教科の状況を聞いて、すべての学習を考慮したメニューを組みます。算数の相談をして、算数の話しかしない人は信用しないほうがいいでしょう。

(ライター/阿部祐子、撮影/鈴木愛子)