記述問題の解答は、無理に一文にまとめなくていい

徐々に参加者の緊張も解け、本音が出てきた
徐々に参加者の緊張も解け、本音が出てきた

西村先生(以下、敬称略) 補足ですが、SAPIXの解答例レベルの答えを子どもが書くのは無理ですよね?

小川 間違っていることもありますしね。

参加者 え~~~っ!(笑)

小川 SAPIXだけでなく、大手塾の教材の解答例では、間違っていることが少なくないんです。設問と対応していない答えが書かれていることがある。解答例をつくる先生が、書きたいことを勝手に入れていることがあるからです。

 確かに受験問題が特徴的な学校では、キーフレーズとして入れてほしがる言葉というものがあります。「ボキャブラリーを覚える」と言ったのはそういう意味で、文中にはっきり書かれてはいないけれども、例えば「『同調圧力』が最近流行りの言葉だから入れておくか」と解答例をつくる段階で判断して入れることがあります。

 また、SAPIXの解答例は一文が長過ぎる場合があります。「要素をあれこれ入れ込みたい」、でも「国語の解答は一文にまとめるほうが好ましい」という、昔からの思い込みに先生が縛られてしまっている。子どもがそれに倣うと、自分でも何を書いているのか途中で分からなくなってしまうんです。

 なので、親御さんにお願いです。「国語の解答文は途中で区切っていい」と教えてあげてください。