教えたいのに伝わらない だから、叱りながらしつける、という悪循環
もちろん、この質問に対する正解はありません。でも、私がCSPのセミナーで会った多くの親御さんの答えを要約すると、ほとんどの親御さんが「子どもがうまく生きられるように」「幸せに生きられるように」「まずまずの生き方ができるように」と考えるからこそ、子どもをしつけているという意識のようです。
つまり、私達がしつけで実現したいことは特別なことではなく、普通のこと。
親になると自然に、これまで生きてきて、経験して、学んだことを、「こうしたらお前もうまくやっていけるよ」と子どもに伝えようとするんですね。
これがしつけです。「こうやったらいいんだよ」と教えるのがしつけなわけです(CSP的にちょっと硬い表現で言うと、「しつけとは、教育、そしてトレーニング」です)。
教えるためには、まず相手にこちらの言い分を伝えられないと何もはじまりません。ところが、子どもにはなかなか伝わらない。親が何回注意しても、悪いところが直らない。言っても聞こえないふりをしたり、言い訳を始めたりして、伝わらないことのほうが多かったりします。
そうなると、いつの間にか親のほうも叱る頻度が増え、
というように、叱ることで成立するしつけが多くなり、「叱る」=「しつけ」となっていきがちになります。
ですが、繰り返しますが、しつけの目的は教育であり、伝えることです。叱るのは、しつけの手段であって、目的ではありません。
では、なかなか話が伝わりにくい子ども達に、どのようにすれば伝わるようになるのでしょうか。