ユミエさん「規格外の野菜をよく買うから、それはありがたいわ。家でも使おうかしら。おいくらするの?」
カオリ所長「税抜きで3800円ですよ」
エリちゃん「う~ん、アタシも欲しいなって思ったけど、皮むきだけでその値段か……」
ユミエさん「確かに一人暮らしなら、皮むきもすぐ終わるわよね。でも、家族の食事ってけっこう量を作らなきゃならないじゃない? これがあったら皮むきの時間を短縮できるだけじゃなくて、他の作業も同時に進められるから、すごく時短になると思うわ」
カオリ所長「私は家でも使ってるけど、皮むきの作業がなくなるだけで、精神的にけっこう楽よ。それに、手があまり汚れないのも魅力的なのよね。山芋のように手がかゆくなってしまうものでも、短くカットすれば『イージーピーラー』が自動的にむいてくれるから」
ユミエさん「これだけきれいにむけるなら捨てるのが楽だし、皮自体を料理に使えそうね。ニンジンの皮なら、きんぴらやサラダかしら。リンゴやレモンの皮は、紅茶に入れたりするとすてきよね。そうだわ、デザートついでに多めにむいて、ジャムでも作っておこうかしら。それから……」
エリちゃん「あっ、いつものユミエさんに戻ったみたい」
ユミエさん「さっそく料理にとりかかりましょうか♪」
その日の夕方……
マコトさん(カオリ所長の夫でフリーライター)「今日の打ち合わせは疲れたなー。ん? なんだか、ラボからいい匂いがするな」
ケンジくん(ちょっと人見知りな若手研究員)「甘くていい香りですね。ユミエさんがおいしいデザートをつくっているんじゃないでしょうか」
マコトさん「間違いないな! おーい、打ち合わせから戻ったぞ……って、ラボがそこらじゅうジャムだらけなんだが。ここはいつからジャム屋になったんだ?」
エリちゃん「ユミエさ~ん! 瓶に詰めるの疲れちゃったよー。もうジャム作りも飽きたよー」
ユミエさん「頑張って、エリちゃん! 『イージーピーラー』があるとどんどん作業が進むわ。まだまだ作れそうよ♪」
ケンジくん「このままだと、本当にジャム屋が開店しそうですね」
カオリ所長「ユミエさん、仕事を……」
(文・イラスト/かみゆ)