こんなに違う、各メーカーのセールスポイント

──それでは「メーカーごとの特徴を教えていただけますか?

 炊飯器を発売している主な大手メーカーは、三菱、象印、パナソニック、東芝、タイガー、シャープ、日立の7社です。

 加熱方法の「圧力」「非圧力」でみると、三菱とシャープが非圧力、他の5社が圧力になります。スチーム機能を搭載しているのがパナソニックと日立です。

 釜は前にも言いましたが、各社様々です。三菱は本炭釜、象印は鉄の羽釜、パナソニックはダイヤモンド銅釜、東芝は鉄の丸釜、タイガーは土鍋、日立は鉄釜を採用しています。

──本当にいろいろな素材の釜があるのですね。

 釜に求められるのは「熱伝導率」「発熱性」「保温性」なのですが、素材に一長一短があるんです。熱伝導率は銅が良くて、発熱性は炭が良くて、保温性は土鍋がいい。なので、各社の考え方が素材選びに関わっているといっていいでしょう。

──各社のセールスポイントを教えてください。

 東芝は「真空」機能です。真空と言っても空気を完全になくすのではなく、気圧を下げることで、米の中まで水が染みこむといわれています。そのため、早炊きでもおいしいのが特徴です。

 三菱は職人肌。昔ながらの非圧力なので、お米の味がダイレクトに出ます。新米の時期が一番おいしいごはんが食べられる。子どもの食育には合っています。お刺身など和食に合うごはんが炊けます。

 象印は七段階の炊き分けができます。気圧を変えて、沸点を変えられるんです。圧力をかければもちもちの、かけなければさっぱりしたごはんが炊けます。羽釜形状なので、大量の米でもむらなく、おいしく炊けるのも特徴です。

 パナソニックはバランスの良さが特徴。スチームを上手に使って、保温して時間が経ったごはんを炊きたてに近い状態に戻す機能も、保温派にはうれしい。釜が軽くて落としても割れないのも重要です。

 タイガーは土鍋を使って、さらに焦げが作れるようにするなど、昔ながらのごはんを再現しています。このあたりはさすが専業メーカーですね。デザインにも力を入れています。

 日立は人気の機能を全部取り入れているモデルをだしています。圧力+スチーム炊き、真空断熱構造、蒸気カット。2合炊きも設定できる。しかも価格が安い。保温も40時間と長く、食べ盛りの世帯にピッタリです。

 シャープは他社とは違う機能を持っています。自動洗米機能は、人間の手で洗うよりも、栄養を落とさないそうです。ごはん以外にも煮物やシチューが作れたりするので、電機鍋として使えます。

各メーカーの特徴を比較し、自分や家族の好みにあった炊飯器を選ぼう
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