ごはんをおいしく炊く目安は、容量の8割

 夕食も、かならずごはんを食べるとは限りません。週2回は麺類かもしれませんし、DUAL世帯なら「仕事で忙しいから今日は買って帰ろう」という日もあるでしょう。お昼も、子どもが保育園や小学校ならお弁当を作る必要はありません。

 だから、子育て中の世帯でも「ごはんは食べる分だけ炊く」という家庭は少なくないのです。

──でも、大容量の炊飯器を買っておけば、いざというときに困らないのでは?

 意外に知られていないのですが、多くの炊飯器は「大は小を兼ねない」のです。

──大容量の炊飯器で少量の米を炊いてもおいしくないということですか?

 そうです。一般的な炊飯器は「容量の8割のお米を炊いたときが一番おいしい」と言われています。

 お米を炊く過程は「ひたし」「炊き」「蒸らし」という3つの段階に分かれます。お米を水に浸して、それを加熱して炊いて、さらに蒸らしておいしくする。これは電気炊飯器も変わりません。

 多くの炊飯器では、最初の「ひたし」の段階で、内釜にどのくらいの量の米が入っているか、分からないんです。炊く段階で、一定の温度まで上昇する時間を測定して、初めて釜の中にある米の量を炊飯器のマイコンは把握するんです。だから、その前の「ひたし」の時は、一番無難な60%程度だと推測して作業を始めるんです。

 最近は三菱の上位機種のように、重量センサーを内蔵し、内釜に入った米の量を量って時間を設定する機種も出てきました。また日立は「2合炊き」というボタンを用意して、それを押すと2合だと判断して適切な時間になるように調整します。こういうモデルなら「大は小を兼ねる」と言えますが、まだ少数派なんです。

「少量」ボタンを押すと、米の量が少ない場合に適した時間に調整する炊飯器も
「少量」ボタンを押すと、米の量が少ない場合に適した時間に調整する炊飯器も