小容量でおいしく炊ける高級炊飯器も登場

 たとえば3.5合炊きの炊飯器はお店に行くと6000円程度で買えます。ところが、最近は3.5合炊きで5万円以上の炊飯器も登場しているのです。

 これも、子どもが独立した団塊世代に向けて開発された製品です。夫婦二人暮らしだから大容量の炊飯器は必要ない。おいしいごはんを、必要なときに、必要な量、炊くというニーズを想定して開発されました。

 話はそれますが、面白いのはこの製品が、最近増えてきた一人暮らしのアラフォー世代にも支持されているんです。実は1人暮らしのアラフォーの嗜好ってシニアに似ているんですよ。シニアは健康に気をつけますが、1人暮らしのアラフォーも未来のことを考えて健康に気を使う人が多いんです。

 話を炊飯器に戻すと、昔の炊飯器は、炊けるごはんの量が多い製品ほど価格が高かったのですが、今はそうではありません。大容量の炊飯器より高い小容量のモデルもあります。

──ただ、子どもがいるDUAL世帯は「大容量で決まり」ではないでしょうか?

 必ずしもそうとは言い切れないんですよ。使い方によっては小容量が向いているDUAL世帯もいるんです。

 朝ごはんを炊いて朝飯とお弁当に使い、残りは保温しておいて夕食に食べる。そういう家庭なら大容量が向いています。これは「3食ごはん」という家庭ですね。でも、最近はそうではない家庭が増えてきています。

──「3食ごはん」ではない家庭ですか?

 そうです。朝食はパンという家庭も多いですよね。先日、JA全中が行った調査でも、「朝食の主食として最もよく食べるもの」は、全体でパン派(49.8%)がごはん派(38.7%)を上回っています。