忙しいDUAL世帯に向けて、投資の基本を説明する「金持ちDUAL、貧乏DUAL」。前回(「実はバブル崩壊後に資産を2.5倍にした日本債券」)から債券を使った投資について取り上げた。
債券とは国や企業が発行する借入証書のようなもの。単独の債券も売買できるし、たくさんの債権を投資対象にした投資信託もある。株式の投信と違って「値動きの変動が小さい」債券の投信は、将来の教育費や住宅購入などに備えて堅実に投資したいDUAL世帯にとって知っておきたい投資の1つだ。
債券の基本的な仕組みを説明した前回に続き、今回はどのような債券に投資すればいいか、その考え方を解説する。

 前回は債券の値動きの仕組みについて勉強した。

 債券とは要するに国や会社の借金を証券にしたもの。これは売買できるので株と同じように投資の対象になる。株と違うのは、値動きが株ほど大きくないことだ。堅実に資産を積み上げていきたいDUAL世帯にとっては債券の投資信託を運用の一部に活用することも選択肢だ。

 債券の投資信託で恐らく最も有名なのは、海外先進国の国債で運用するグローバル・ソブリン・オープン(グロソブ)という巨大投信だろう。今年、別の投信に首位を明け渡すまで、資産の大きさは日本の株・債券を合わせた投資信託の中で長らく断トツの首位を維持していた。

債券も「プロに任せたら安心」は間違い!?

 グロソブは運用担当者の腕で銘柄やタイミング選び(つまりどこの国債をいつ売買するか)によって平均的な成績を上回ることを選ぶアクティブ(積極運用)型投信だ。

 DUAL世代が投信を選ぼうとして銀行や証券会社に行くと、まずはこうした「アクティブ型」を薦められる。しかし『初めての投資「プロに任せたら勝てる」は間違い』の回で日本株のアクティブ投信が長期では平均に負けがちと書いた。プロ同士の戦いなので一人だけ勝ち続けるのは極めて難しく、その割にアクティブ型は運用管理費用が高いため、費用を引いた後の成績は市場平均に長期で負けがちになる。

 実は債券投信にもまったく同じことがなり立つ。