橋口さんの職場では、出産後、ほとんどの女性が辞めていくため、子育てをしながら働いている人がそもそも少ない。男性社員の妻も、ほとんどが専業主婦であり、男性社員は子育てにそれほど深く関わらない。
もし、共働き社員を優遇するような制度をつくったら、反感を買ってしまいそうだ。
「会社の体質には、経営トップの考え方がそのまま表れると思います。経営者がどれだけ社員の立場を理解してくれるか。それによって、現場の考え方も変わってくるような気がします」
しかし、橋口さんはまだあきらめてはいない。たとえ少数派でも、ニーズはあるのだ。社員みんなが「働きやすい」と思える環境にしたいと、新たな提案の機会をうかがっている。