イスに座ってひたすら聞く……とは違う、クリエーティブな授業
坪谷さんが紹介してくれたのは、東京インターナショナルスクールでも行っているという小学校3年生のカリキュラム。
「教科書は使わずに、以下の6つの軸を元に授業を進めていきます」
「これらの6つのテーマについて話し合うのです。小学生でも充分に議論することができます」
確かに、国際バカロレア認定校で学んでいる小学生の娘も、教科書を使った授業は受けていない。1クラス20人ほどだが、全員が自席について先生の話を聞くという授業はほとんどなく、5~6人ほどのグループに分かれて学習したり、別のクラスと一緒になっていくつかの教室を回るような形で授業を受けたり。多くの時間がそういったクリエーティブな学びに当てられている。
ある日、娘の学校へ行くと、廊下に大きな宇宙船が描かれていたことがあった。一体なんだろうと思っていたら、夜中に親指ほどの大きさの宇宙人が上陸してきたという設定で、小さい文字で書かれた手紙が届いたという。先生が虫眼鏡を使って、その内容を読み上げる。それから、みんなで宇宙人に返事を書き、気になることを質問しよう、という。それが授業だった。
要するに、HowやWhat、Whereなどを使って質問文を作る……というライティングの学習なのだが、それぞれの生徒が宇宙人に何を聞きたいかを必死に考え、手紙を書いている。「どこから来たの? 何人で上陸したの? なぜ地球を選んだの? 好きな食べ物は何? …」。子ども達の質問は個性的で、しかも5~6人のグループに分けることで、それぞれのアプローチ方法も大きく変わっていた。
一つの正解を求めるスタイルではなく、生徒達が自由に発想する授業は、毎日でものぞきに行きたくなるほど、親である私達にとっても興味深いものだった。