日本の200校に導入されるのは、高校生向けのプログラム

 国際バカロレアの主なプログラムは、以下の4つ。

 1) 初等教育プログラム(PYP)3~12歳対象
 2) 中等教育プログラム(MYP)11~16歳対象
 3) ディプロマプログラム(DP)16~19歳対象
 4) キャリアプログラム(IBCC)※大学進学ではなく就職希望の生徒向け

 日本の200校が導入を目指すと言われているのは、この中のディプロマプログラムは高校生向けということになる。

 国際バカロレアのディプロマプログラムとは、6つある教科グループから1科目ずつ計6科目(このうち3つから4つは上級レベル)を2年間で履修するものだ。さらには、上級レベルで受けた科目について課題論文を提出し、学際的な知識の理論について最低100時間の学習をし、加えてスポーツ・奉仕活動などで最低150時間の学習を行うことなどが要件となっている。

 評価は高校の先生ではなく外部の人間が行い、その点数が満点に近ければ近いほど、米国の有名大学への進学が可能となる。

 現在、ディプロマプログラムを取り入れている学校は、全国で19校ある。今後、東京都立国際高校や市立札幌開成中等教育学校など、導入校は増えていく予定。また、今後は英語だけではなく、日本語で受けられる科目を設けた学校も増えていくため、インター生や帰国子女以外の学生もチャレンジしやすくなる。

 このように、日本で最初に広がっていくのはディプロマプログラムになったわけだが、坪谷さんはこう話す。

 「日本でディプロマプログラムが先に導入されはじめた理由は2つあります。まず1つは、IB教育を受けた人が大学入試や企業就職で活躍すれば、日本の教育制度改革が進みやすいと考えられること。そして、2つ目は、市区町村が管轄する小・中学校での導入が大変だったことです」(坪谷さん)

 「でも、私が一番好きなプログラムは、実は小学生に向けたプログラム。とても自由度が高く、クリエーティブな内容になっているのです。ディプロマプログラムが広まった後、小学生や中学生がIBを学ぶことができる場が増えてほしいと思っています」(坪谷さん)