英国では、一般企業に勤めていれば普通5時半〜6時半で仕事は終了するケースがほとんどです。残業ももちろんありますが、普段は残業はしない。「普段から残業する」という固定観念がある日本の社会とは、大きな違いです。父親は、平日は子どもの寝顔しか見ないというようなケース、日本では最近は減っているのかもしれませんが、英国では基本的にはありえないと思います。

 あと、付け加えるとすると、英国では長期休暇も権利として普通にしっかりとるのが当たり前。そこでも家族と過ごす時間の長さに、日本の勤労親とは差がついてくるのではないでしょうか。

子どもの面倒は「fair」であるべき

 英国の共働き家庭にとって、基本的に母親・父親の仕事に優先順位はなく、保育園へのお迎え、祖母・祖父の家へのお迎え、保育園がない日の子どもの面倒は、母親と父親が交互で協力して行っているのが一般的です。

 英語でよく使うフレーズで「That’s not fair.(それは公平ではない)」というものがあるのですが、英国では色々な場合、この「fair(公平)」であることを重要視すると感じています。それは家庭でもそうで、子どもの面倒を見ることに関しても、当然、母親と父親はfairでないといけないということですね。

 日本の父親がダメで英国の父親が良い、という事を言いたいのではなく、「fair」であることを重んじる社会的な常識・考え方があるために、個人の意識に関わりなく、自然にそのようになっているのだと思います。

 職場をとるか家庭をとるかという二者択一ではなく、子どもが健全に育つような家庭環境を第一にした働き方を親が自主的に選べる社会・会社が理想だと思います。そしてそんな働き方の柔軟性は、日本に比べて英国にあるようです。