子どもの大きさに合わせて伸縮するチャイルドシート

 「子どもたちを産み育てやすいデザイン」のテーマで優秀賞(少子化対策担当大臣賞)を受賞したのは、コンビ株式会社の「チャイルドシート『ネルーム』シリーズ」。

 新生児から4歳児までを対象としたベッド型のチャイルドシート。従来のチャイルドシートは、新生児でも背中が少し起き上がった姿勢となり、不安に思う保護者も多かったという。そこで、万が一の事故の際は背中で衝撃を受け、分散させられる角度で、可能な限りシートを寝かせた形状を実現した。8段階の可動式ヘッドレストを調整すれば、車内が狭くなりがちな軽自動車でも設置しやすい。

「ネルーム」シリーズのチャイルドシート。シートが360°回転するので、子どもを乗せたり下ろしたりしやすい。
「ネルーム」シリーズのチャイルドシート。シートが360°回転するので、子どもを乗せたり下ろしたりしやすい。

「子ども視点」を取り入れたデザインに今後も注目

 他にも積水ハウス株式会社の「子どもの生きる力を育むまち 子育て世帯応援タウン~ニッケガーデンコート花水木~」や、山本光学株式会社の「SWANS ジュニア用花粉グラス『SWKJ-01』」、インターリンク株式会社の「ベビ★マ-授乳室・おむつ替え検索地図アプリ」など、興味深い受賞作品がたくさんあった。

子どもが外遊びするときも安心な花粉防止用グラス。転倒しても顔面を傷つけにくい柔らかな樹脂製素材を使って安全性を高めている。
子どもが外遊びするときも安心な花粉防止用グラス。転倒しても顔面を傷つけにくい柔らかな樹脂製素材を使って安全性を高めている。

 「子ども視点」「子育て支援」に配慮してデザインされた製品やサービスは、子育て世代にとって強い味方になる可能性を秘めている。今回受賞した作品を参考に、身の回りにある製品が、子どもに配慮したデザインかどうか、もう一度見つめ直してみるのもいいかもしれない。

(ライター/越智理奈、写真/種清豊)

この記事の関連URL
第8回キッズデザイン賞プレスリリース(PDF)
http://www.kidsdesignaward.jp/2014/news/pdf/n20140704.pdf