「家事ハラ」という言葉が話題になっていますね。「意欲はあるものの夫の家事がうまくできていない現状」を顕在化させる表現として“家事に対する何気ないダメ出し”のことを「家事ハラ」とネーミングして使用した旭化成へーベルハウスのCMが流れ、賛否両論、盛り上がりました。

 実際、旭化成ホームズの「共働き家族研究所」では「30代共働き夫婦の家事分担の実態と意識についての調査」をしています。そして、

●25年前に比べて、夫婦が共にスクラム体制で仕事と家庭を両立させている
●30代男性では育児には参加するが家事は苦手な「チョイカジパパ」が多い
●「チョイカジパパ」は妻からのダメ出しに弱い傾向
という調査結果が出たそうです。

 詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
リリース『「褒めること」「経験を積むこと」が家事参加意欲の高い夫を後押し』
調査報告書「いまどき30代夫の家事参加の実態と意識」

家事の分担でもめ事 「とても不毛です」

 共働き家庭にとって、家事の分担は本当に大問題です。

 家事をやろうと思ったのに文句を言われてしまい、それがトラウマになって、ぎくしゃくしてしまう。なんて悲しい出来事でしょう! 相手を喜ばせようと思ったのに、相手からは罵倒される。せっかくの思いが裏切られたらさあ、たいへん。

「せっかくやったことに文句をつけられてへそを曲げる」
「せっかくやってもらったことに文句をつけてやる気を萎えさせる」

 これって、割とよくある上司と部下の関係でありませんか? 「やり方が悪い!」(by上司)、「注意の仕方が悪い!」(by部下)。ああ、とても不毛です。忙しいDUAL読者の皆さんにとっては、時間のムダになりますね。

 今回の論点は、2つです。

 一つ目の論点は「家事は“やってあげる”こと」なのか? 二つ目の論点は「夫婦間における、互いに注意されてもへそを曲げない鈍感さ、注意してもへそを曲げられない管理力」についてです。

「やって“あげる”」「やって“もらう”」の意識を夫婦で捨てよう

 一つずつお話ししたいと思います。同社の調査でも、この数十年で「夫婦が共にスクラム体制で仕事と家庭を両立させている」とあるように、「やってあげること」「やってもらうこと」という意識は薄れてきたようです。