これまで「純血主義」だった中央官庁が変わりつつある。経験者の中途採用も本格化、民間企業に負けじと多様な人材の活用に動き始めている。子育てと仕事、女性と管理職、母であることのメリットは? 前回の「『霞が関』からダイバーシティ 官庁が中途採用本格化」に続き、ワーキングマザーの先輩としてキャリアを積み重ねてきた内閣人事局の定塚由美子審議官に聞いた。

定塚由美子(じょうづか・ゆみこ)氏。東京大学法学部卒業後、1984年労働省(現厚生労働省)に入省。厚生労働省職業家庭両立課長、福祉基盤課長、雇用均等・児童家庭局総務課長を経て、2014年5月に発足した内閣人事局審議官。

子どもを持つとやっぱり楽しい。大変なことも多いけどなんとかなる

羽生祥子日経DUAL編集長(以下、羽生) 後輩の子育て真っ最中のお母さん職員のみなさんから相談を受けることも多いのですか?

定塚由美子内閣人事局審議官(以下、定塚) 子育て中の人もそうですけど、これから子どもを産もうかな、どうしようかなって思っている人から、どうですかって言われることが多いですね。そういうときは、もう絶対、迷っているんだったら、早く産んだほうがいいよって言っています(笑)。子どもを持つと、やっぱり楽しいし、それは何とかなるよって。

内閣人事局の定塚由美子審議官
内閣人事局の定塚由美子審議官

 今は私の時代とは違って、大変とは言ってもいろんな働き方ができる。役所でも短時間勤務は可能だし、残業なしもできる。いろんな選択肢があるわけだし、保育園もベビーシッターさんも充実しているから、それも組み合わせていけばなんとか乗り切れます。

 私たちの時代は、とにかく男並みで働くのが普通だっていう感覚しか職場にはなかったんです。私も育休制度が導入される前だったので、産休が終わってずっと長時間労働をし続けてました(笑)。まあ、男性よりは少し短かったかもしれないけど。やっぱりそうは言っても子どもと一緒に食事したいなという思いは常にありましたね。

週に3回は子どもとごはんを

 今は後輩たちに、せめて週に3回は子どもと食事できるような職場にしたいねって言っています。3回って言うと少ないじゃないって思われるかもしれないけど、霞が関の実態から考えると…。せめて3回。そうすると夫が3回、妻が3回だったら、子どもとどっちかの親が一緒に食事できますよね。せめてそういう働き方を目指したいよねって言っているんです。

羽生 いいですね~。そうですね。夫が3、妻が3。

定塚 夫が2、妻が3の週があってもいいのかもしれないけど。

羽生 ご主人もそのあたりは、かなり一緒にやってくださったんですか。